夜宴

元キャバ嬢と結婚した酒好きリーマンの夜遊び日記。

水商売は究極のサービス業 ~敬意と感謝を籠めて~

「水商売」と聞くと、皆さんどのような印象を受けるでしょうか。

昨今は、子供のなりたい職業の上位に「キャバクラ嬢」がランクインするなど、

一昔前に比べると、世間の評価は前向きなものになりつつあるのかなと思いつつ。

それでもやはり、例えば長年キャバ嬢を生業として来た人が昼職に転向する際には、

履歴書に「キャバ嬢してました」と正直に書く人は皆無なのではと思います。

 

そうした現状が、私には何とももどかしく、釈然としません。

 

私は常々、所謂「水商売」で働いている方々には、

並々ならぬ尊敬と感謝の念を抱いています。

特に、しっかりとしたプロ意識を持って水商売の世界に身を置いている人達の姿は、

昼の世界で働く人達にとっても、大いに学ぶべき所があると。

彼女達の接客の技術は、サービス業で働く全ての人達の手本と成り得る、

尊いものだと思うのです。

 

私自身、社会に出て間もない頃、辛く苦しかった時に、

水商売の女性の笑顔と優しさに救われました。

入社した会社はなかなかのブラックで、

日々上司に詰められ、成果も上がらず、仕事が辛くてどうしようもなく、

彼女にもフラれ、人生に希望すら見出せなくなっていた、

そんな一番酷かった時期には、

毎週休みの度に同じ嬢に足繁く通い詰め、生きる気力を貰っていました。

「休みになればまたあの娘に会える」

それが当時の自分の心の支えであり、拠り所でした。

 

今にして思えば、何て「粋」ではない遊び方をしていたんだろう……と、

おそらく嬢に心的負担を掛けていたに違いない、

当時の自分の幼稚さ、未熟さに、歯痒い思いを禁じ得ませんが。

それでも、もし、あの娘に出会っていなければ、

私はきっと心を病んで自分の人生すら投げ出していたに違いなく。

 

その娘にはもう十年以上会っていませんし、

今は何処で何をしているのかも全く知りませんが、

今でも私は、自分の「命の恩人」だと思って感謝し続けています。